今日の「大淀古道」は、壺阪峠を越えて大淀へ出る道で、古代から利用された飛鳥から吉野への直線コースで、古代の天皇や貴族らはこの道を歩き、壷阪寺や大淀町に残る比曽寺などに参詣してから吉野に入ったといわれています。
壺阪山駅で、恒例の出発式を終え弱い日差しの中、9時45分頃参加者180名はスタート「土佐街道」に入り南へ進み、今も古い町家が並ぶ静な佇まいの街道を、3月1日から開催される「町家の雛めぐり」の準備が始まる街道周辺から下子島地区の集落を抜けて県道に出て、暫く「壷阪寺」に通じる県道の上り坂を進み、「宮形大明神」の赤い鳥居前から県道下の山道に入り、昨日の雨で滑りやすい状況の狭い緩やかな上り坂のハイキングコースを800m程進み、「壷阪寺」手前の急坂の山道沿いでは小さな数体の観音様に迎えられて、いっきに上ると視界が開けて「壷阪寺」前広場に出ました、「壷阪寺」の大講堂や本尊の十一面千手観世音菩薩を祀る八角円堂を始めとして数々の伽藍施設と天竺渡来の大釈迦如来石像(身丈10m 台座5m)を目の前に見、又、後ろを振り返ると遠く眼下には霞む畝傍山や二上山等の山々を望みながら、中西スタッフにより、浪曲の一節「妻は夫をいたわりつつ、夫は妻に慕いつつ・・・」と、盲目の沢市と妻お里の夫婦愛があまりにも有名な「壷阪霊験記」にまつわる話等々を聞きながら小休止を取りました。

「壷坂寺」を後にして、県道を暫く上り進み「壷坂峠」に出て、ここから県道は下り坂で最初は広い道路が暫く進むと車1台がやっと通れるほどの狭い幅になり、深い山の中をひたすら下り、通過する車両もなく覆いかぶさる杉や雑木の木立の車道を、列はゆったりと快調に歩み、峠から約2q進むと左手に高さ8m程の「安産(あんさん)の滝」が、傍らの説明書きによると「昔から、お産をするものがその滝水にうたれると、安産をするという言い伝えによって名高く、今はそういうことをする人はいないが、素朴にそのことを信じて滝に打たれている昔の産婦の姿が、なにかゆかしくしのばれる所であります」と記され、滝への下り口には安産(さずけ)地蔵、滝壺には不動明王などもまつられていまして、道路に架かる橋の下には滝修行用の設備も有りました。

滝からさらに200mほど下り進むと「蔵王寺龍峯院」へ、修験道場のような小さなお堂があり、不動明王と役行者が祀られていて、お堂の「龍峯院護摩堂」の建物に貼られている「由緒書き」によれば「この場所には、元々平安時代から続いたお寺があったが、明治初年に廃寺となり荒れた状態となっていたが、平成18年に、吉野山の「金峯山寺(蔵王堂)」で約20年修行された僧がこのお寺を復興させようとしているものです・・云々」と記され、建立がなされるのでしょうか、ここでトイレを借り休憩を取りました。
この辺りから空は重い雲に覆われ、休憩後も県道の杉や雑木林の木立の中の狭い道路を下り進み、木立を抜けて木材工業団地に出まして、さらに下り進み行くと視界が開け、前方遠くには霞む大峰山系の吉野の山々を望みながら、広い県道に出て進路を東に向け歩道を進み、途中から大淀町馬佐(ばさ)地区内の旧道に入り、その旧道沿いに鎮座する牛の守り神である「天照(てんしょう)神社・牛滝社」を左に見て通り、沿道には松や槇等々種々の植木が栽培されている樹園を抜け再び県道へ、やがて「世尊寺」に先頭は12時15分頃にアンカーは「蔵王寺」で多数のトイレ待ちの関係で15分程度遅れて到着しました。

この「世尊寺」の寺域は「比曽寺跡」として国指定の史跡となっており、聖徳太子が建立した48ヶ寺の一つと伝えられていて、古代から中世にかけては吉野詣の参詣地として栄えたそうです。
尚、「比曽寺」には東塔と西塔があったが、そのうち東塔の三重の塔は豊臣秀吉によって伏見城に移され、さらに徳川家康によって大津の三井寺へ移築され、現在、国の重要文化財として残っています。
広い境内で昼食休憩を、参加者の中には寺院施設や聖徳太子お手植えの壇上桜と芭蕉句碑等々の見学や、本堂に祀れている御本尊の阿弥陀如来坐像を拝観しながら休憩を済ませました。

午後は13時頃スタートしまして比曽地区を南へ急坂を上り高台の地区に進み、高台にある集落から田畑や雑木林を抜け、眼下には吉野川が見え始め山沿いの道を下り、北六田(むた)地区の国道169号(伊勢街道)に出て東へ進み、暫くすると吉野川北岸と南岸をつなぐ渡し場の跡「柳の渡し跡」に着きました。
案内板には「柳の渡しは、大淀町北六田と、南側の吉野町六田とを結んだ渡しで、この先の美吉野橋が架かるまでは「桜の渡し(桜橋)」「椿の渡し(椿橋)」「桧の渡し(千石橋)」と共に賑わった」と、記されていました。
吉野川沿いの歩道を上流に進み、美吉野橋北詰を経て歩道橋を渡り国道から旧道に入り増口地区に鎮座する50数段の急階段上の「水分(みくまり)神社」を左に見て集落を抜け14時頃に近鉄・大和上市駅にゴールしました。
参加者の殆どは大和上市駅14時11分発阿部野橋行きに乗車し帰途に着きました、今日の参加者は健脚揃いであったか、全体としてあまり遅れもなくスムーズな運びで無事完歩いたしました、ありがとう御座いました。