今回のメーンは、国宝・十一面観音菩薩で知られる「聖林寺(しょうりんじ)」の裏山に、四国88箇所を模した「写し霊場」(ミニ遍路道)があり、その遍路道を巡りました。
大正期に築かれたとみられますが、戦後忘れられ、20年ほど前に「再発見」され、地元の方たちの力で安全に歩けるよう昨年から今年春に修復し公開され、寺の門前付近から遍路道が始まり、細い山林の道沿いに弘法大師空海と四国の札所寺院の本尊をかたどった2体の石仏が所々に並び、裏山の尾根からつづら折りの坂を下りると、境内の裏手にある大師堂に着き、「結願」となります。

近畿地方の梅雨入り宣言が6日に出され、その後不安定な天候状況も、今日は、梅雨の中休みで雲間から太陽が顔を出し天候に恵まれ、参加者を桜井駅前から少し南の「昭和公園」へ案内・誘導し、公園で受付の後、9時50分過ぎ参加者115名は青空の下、元気にスタートしました。
公園から南へ暫く進んで、狭い道を西に入り上りの急な坂道を進んで、桜井小学校西側の高台に位置する「桜井公園」として整備されている「安倍山城跡」へ上り、眼下の市街地を眺望し、そこから少し南に離れた「土舞台」へ進み、水分補給を兼ねて小休止を取りました。
この「土舞台」は「芸能発祥の地」で、案内板には、聖徳太子が日本最初の国立演劇研究所を設けた場所とされ、「日本書紀」推古20年(西暦612年)に百済の人、味摩之(みまし)が呉で「伎楽舞(くれのうたまい)」を学び、これを聖徳太子がご覧になって、この地で少年を集めて習わせたと伝えられています。
「桜井公園」を後にして、南側の住宅街から、御本尊が「三人寄れば文殊の智恵」の格言で有名な文殊菩薩の「安倍文殊院」境内を通り抜け、桜井市街地を後に、生田や高田地区の集落内を進み、前方には音羽三山(音羽山・経ケ塚山・熊ケ岳)・多武峰の山々を望みながら、下地区集落内を流れる寺川に架かる「聖林寺橋」南詰に、大正8年に建立された「新四国88箇所記念」碑を見て、急な坂道を上り進み「聖林寺」に到着。
ミニ遍路巡りに先立ち、ご住職の倉本様から歓迎の挨拶を、又、大和郡山市在住の「四国霊場公認先達・歩き遍路の会」の山下会長さんのお話を、面白おかしくお聞きして、「お接待」のキャンデーを頂戴して、11時頃ミニ遍路道へスタートしました。

「聖林寺」境内の墓地から杉林の山道に入り、昨日の雨で濡れた上りの急な狭い山道を、途中、丸太で整備された階段や狭い木の橋等の山道を慎重に一歩一歩進み、所々に「お大師さま」と各札所寺院の「ご本尊さま」との一対の石仏が現れ、名称札等の未整備の為、判読しがたい札所寺院の石仏も見受けられましたが、上り進む内、34番札所「種間寺・薬師如来」の石仏がある所で裏山の頂上付近となり、尾根伝いの木の間から眼下の桜井市街地や奈良盆地を望み一息入れて、急な下り坂やつづら折れの下りの狭い道沿いの石仏を拝み・拝見しながら進み「大師堂」に着き「結願」、一周に約30分から40分要して休憩を取りました。
高台にある「聖林寺」から大和盆地や三輪山等を眺望し、早苗が植わった水田風景が広がる倉橋地区に入り、途中、談山神社へ通じる県道沿いから桜井市立「高齢者総合福祉センター」からやが、やがて緑の山々に囲まれた満々と溜まる「倉橋溜池」が、その湖岸南側の「ふれあい公園」に12時10分頃到着、広場の木陰や芝生広場で昼食休憩を摂りました。

午後は12時50分スタート「倉橋溜池」から、のどかな田園風景が広がる倉橋地区を後にして、忍坂(おっさか)と宇陀を結ぶ「忍坂街道」に出て、忍坂地区集落へ進み30数段の急な階段を上り進んで高台に建っている「石井寺」へ、この寺は無住で小さな寺ですが、本堂の裏に小さな収蔵庫があり、日本最古といわれる石仏(石造浮彫伝薬師三尊像)が安置されていますが、残念ながら拝観することは出来ませんでした。
休憩の後、「忍坂街道」から東に向かい「舒明天皇陵」へと上がっていく道沿いに、巨石の「神籠石(じんごいし)」が、この巨石は、神武東征の時、天皇がこの地にいた八十建(やそたける)を討つとき、この石に隠れ石垣をめぐらし矢を持ち楯としたとの伝説があります。
この「神籠石」は地元では「ちご石」と呼ばれ、石の上には火の見櫓が建っていました。
さらに、しばらく坂道を上り、外鎌山西南麓の尾根の先端に築かれた「舒明天皇陵」(段ノ塚古墳)に進み、綺麗に整備された天皇陵の長い階段を上り参拝。
天皇陵から、坂道を下り再び「忍坂街道」に出て、しばらくして外鎌山西麓に鎮座する「忍坂坐生根(おっさかにいますいくね)神社」へ、この神社は、大神神社と同様に本殿がなく、背後の宮山(外鎌山の一部)を御神体としていて、拝殿のすぐ北側には、神が鎮座する「石神」と称する自然石を十数個並べた「磐座(いわくら)」があり、昔より「石神さん」と親しみをこめて呼ばれているようです。又、拝殿前の左側の児獅子狛犬には、珍しい子連れ狛犬が鎮座していました。
静な佇まいの忍坂集落を後にして、列は淡々と進み、外山(とび)地区から桜井市街地に入り、14時20分頃桜井駅にゴールしました。
今日は梅雨の合間の晴れた日で、蒸し暑い一日でしたが、時折吹く風が汗ばむ体に心地よく感じられ、癒されながら、楽しくウオーキングが出来たのではないでしょうか。