今回の例会は、「幻の大仏鉄道遺構」と「当尾(とうの)の里」の石仏巡りと浄瑠璃寺を訪ねました。
「大仏鉄道遺構」は、明治31年4月に加茂と奈良を結ぶ区間9.9kmを開業した路線で、僅か9年でその歴史を終えました。今日は、数ある遺構の中で、観音寺橋台・松谷川隧道・鹿川隧道を巡りました。
又、「当尾の里」は、木津川市加茂町東南部の地区で、奈良県との県境に当たる一帯で、古来より、南都の僧侶が修行に打ち込むため、都から少し離れたこの地で暮らしたと伝えられ、やがて僧侶の過ごした草庵が寺院へと姿を変え、塔頭が並び「塔の尾根」ができ、いつしか「当尾」と呼ばれるようになったといわれ、その「当尾の里」の石仏群と浄瑠璃寺を巡りました。

梅雨時期の最中、昨夜から雨が降り続き、JR・加茂駅に熱心なウオーカー35名を迎え、9時45分スタート、しばらくして、関西本線沿いに展示されている「貴婦人(C57SL)」の名で親しまれた昭和12年製の蒸気機関車を見て、加茂駅周辺の市街地を後にして水田が広がる田園風景を見渡しながら、石部川沿いを南へ進み、関西本線の橋台と並んで石積みの橋台のみが残る「観音寺(かんおんじ)橋台」へ、スタッフの大仏鉄道の詳しい解説を聞き、ここから「大仏鉄道遺構」コースから逸れて、のどかな田園地帯や集落内の一般道及び雑木林や籔が茂る間の狭い道などを進み、現在、休止している「加茂青少年山の家」に到着、ここで小休憩を取りました。
この辺りから「当尾の里」に入り、樹木に覆われた山間部の急な上りの坂道を進む中、路側に「大門(だいもん)の仏谷」の標識が、道路から谷下の向こうを覗き込むと木の間に、大きな岩に彫られた磨崖仏が見え、当尾の石仏群中では最大の磨崖仏(幅約6mの花崗岩に2.8mの如来坐像)との事です。
さらに、鬱蒼と茂った山間の道を進み人里離れた山中に鎮座する神社付近に「大門石仏群」が現れ、この石仏群は、竹藪の中や細い山道にあった石仏、石塔などを集めて安置したもので、双体仏や地蔵仏等々変化に富んだ数多くの石仏が置かれていて、室町時代以降の作品との事です。
石仏群を後にして山間の道を過ぎ、東小集落の中ほどにある「首切地蔵」へ、案内板には、阿弥陀石仏で、当尾の在銘石仏中最古の弘長2年(1262)の物で、首のくびれが深くきれている様に見えるためともいわれてる石仏でした。
さらに、直ぐ近くの藪の中の岩に彫られた、正面に地蔵菩薩と十一面観音菩薩が左側に阿弥陀如来が彫られた「藪中三尊磨崖仏」が、この石仏も「首切地蔵」と共に1262年彫刻の最古のものでした。
珍しい石仏を見て、少し進んで「浄瑠璃寺」門前に11時30分頃到着、雨が降り止まず、今日はお休みの土産物店等の軒先を借りて昼食休憩を摂りました。

「浄瑠璃寺」は、西方極楽浄土の「阿弥陀如来」を西に、東方浄瑠璃浄土の「薬師如来」を東に、中央には「宝池」をおいて美しい浄土を現出しています。
本堂には平安時代の九体の「阿弥陀如来仏」を横一列に安置、三重塔には「薬師如来像」を安置しています。
昼食を済ませ、参加者は思い思いに「浄瑠璃寺」を見学、紫陽花や緑の低木に挟まれた約100mの狭い参道を進み山門から境内に入り、雨で訪れる人が少ない静寂な雰囲気に包まれた「宝池」を中心にした本堂、三重塔や綺麗に整備された回遊式庭園等を散策した後、12時30分「浄瑠璃寺」を後にして、山間の府道752号の緩やかな坂道を北へ下り進み、途中、左側に笠石を載せたせた高さ約2mの「長尾阿弥陀如来坐像」の石仏を見て、さらに緩やかな府道の坂道を下り進み、やがて視界が開け「当尾の里」を後にして、水田が広がる長閑な山里の田園風景の中を、府道752号から浄瑠璃寺口交差点から府道44号に出て、緩やかな上りの歩道を、時には雨脚が強くなり川のようになった歩道を列は淡々と歩み、「浄瑠璃寺」から約5q進んで梅谷交差点へ、ここから再び「大仏鉄道遺構」コースに入り、今は現存しないが、この交差点付近の河川を越える「井関川橋梁跡」から、交差点を左折して梅美台住宅団地内に入り、「梅美台公園」でトイレと暫しの休憩を取りました。
公園を後にし、少し進んで梅美台西交差点の北側に残る、現在は閉鎖されている「松谷川隧道」へ、色の違うレンガが交互に配置されている珍しい造りの隧道を興味深く見て、府道44号を南へ「タッタタワー (上水道木津南配水池)」を右に見て、緩やかな上りの歩道を進み、やがて、奈良市に入り道路は県道44号に、暫く進んで梅谷口交差点を西へ下り「鹿川(しかがわ)隧道」へ、現在も農業用水路として利用されている石積みの重厚な造りの隧道を見て、「大仏鉄道遺構」を後にして、その水路沿いを西へ山間の田園風景が広がる中を進み、14時50分頃JR・平城山(ならやま)駅にゴールしました。
一日中降りしきる雨の中、18kmの長距離を、雨と汗に濡れて疲労した体にも関わらず皆様は無事元気に完歩、満足感で帰途に着かれました。今日は、本当にお疲れ様でした。