うるはしの大和路一周ウォークシリーズUの第5回は巨勢の道と葛城古道を歩きます。
巨勢は、葛城氏の後裔の豪族である巨勢氏の本拠地であったところです。巨勢の道は五条を経て紀州へ、また吉野へと続く要衝の道でした。御所市民運動公園を過ぎ、栗坂峠を下るとき、視界がパッと開け正面に金剛山の堂々とした姿が目に飛び込んできます。
関西花の寺第22番札所の船宿寺を過ぎ、風の森に着くといよいよ葛城古道に入ります。高鴨神社は金剛山の麓に鎮座し、上賀茂神社をはじめ全国の“鴨“神社の総社とされています。4月末から5月初旬にかけて2千株以上の日本さくら草が境内に咲き誇ります。
美しい屋並みの名柄の集落を抜けると、そこは一言主神社。祭神は一言主神で、雄略天皇が葛城山で狩りをした時、天皇と同じ姿で現れ、共に狩りを楽しんだといわれています。地元では「いちごんさん」と親しまれ、一言の願いであれば何事も叶えてくれる神様として親しまれています。
『日本書紀』によると、天皇に従わない、身体が小さく、手足の長い土着の住人を「土蜘蛛」と呼んでいました。神武天皇の軍が葛で編んだ網をかぶせて捕らえたことから、「葛城」という地名になったと伝えられています。その葛城山を左手に、右手には大和青垣の山並み、大和三山、そしてはるか遠く南に目を転じれば大峰山系の弥山を望む、雄大なパノラマをお楽しみください。