9月16日の例会では初秋の明日香を巡ります。今回は特に「古墳めぐり」と稲渕の棚田では金色に実った稲穂がたなびいている景色をご覧いただき、案山子ロードに設置された案山子コンテストの作品と「真っ赤な彼岸花」を鑑賞しながら初秋の奥飛鳥の豊かな自然を満喫しながら明日香をめぐります。

◆丸山古墳 (国指定史跡)
丸山古墳は墳丘長(全長)318m、前方部の高さは15m、前方部幅210m、後円部の高さは21m、後円部経155mにもおよぶ奈良県最大の前方後円墳で、6世紀後半に築造されたと推定されています。大きさは全国第6番目の規模で、後円部には日本最大規模の横穴式石室(全長28.4m、羨道長20.1m、玄室長、8.3m)が確認されており、石棺がL字型に直交するように2基安置されていました。被葬者は欽明天皇と堅塩媛の陵墓説や蘇我氏系(蘇我稲目)の墳墓説がありますが特定されていません。
◆植山古墳 (国指定史跡)
植山古墳は丘陵の南側斜面に築かれた東西40m、南北27mの長方墳(長方形の墳丘の古墳)で、南側に開く2基の横穴式石室が設けられています。被葬者は山田高塚古墳(伝推古天皇陵)へ改葬される前の、推古天皇とその子息の竹田皇子の墓との説があります。平成31年まで史跡整備工事を実施中です。
◆菖蒲池古墳 (国指定史跡)
藤原京の朱雀大路の南の延長線上に位置する7世紀中期頃の古墳です。埋葬施設としては南に開く横穴式石室で玄室内には2基の家形石棺が、石室主軸に合わせて縦一列に安置されています。2基の石棺は、屋根部分の形状がいずれも天井部分が棟飾り風に仕上げられて優美です。石棺の内側には漆が塗られて最高級の石棺に仕上げられています。このような石棺は他に例がありません。
◆石舞台古墳 (国特別史跡)
日本最大級の横穴式石室を持つ、飛鳥を代表する古墳の1つです。築造は7世紀の初頭ごろと推定され、元々は一辺約55mの方墳だったとされています。早い時期に古墳上部の盛土が失われ、現在は巨大な石室が露出した姿となっています。被葬者としては蘇我馬子が有力視されています。
◆稲渕の棚田
そこかしこに、名物の棚田が広がり、実りの秋、黄金色に光る稲穂と赤い彼岸花に息をのむ美しさです。日本棚田100選にも選ばれています。今年の稲渕の「彼岸花祭り」と「案山子コンテスト」は9月23日(土)〜24日(日)に予定されています。例会は少し早く16日(土)に実施しますが、黄金色に光る稲穂と共に少しでも多くの赤い彼岸花を見たいものです。
◆稲渕 案山子ロード
毎年秋になると稲渕エリアにおいて案山子コンテストが実施されます。今年も大小さまざまなモチーフの案山子が設置されていました。2017年のテーマは、ずばり「案山子」だそうです。また、今年のジャンボ案山子は「忍者」です。参加される皆様と一緒に案山子ロードの坂道に咲く赤い彼岸花と、工夫をこらした様々な案山子作品を楽しみながら朝風峠に向かって歩きたいと思います。