今回は、恒例の明日香・稲渕棚田の“彼岸花と案山子”を巡ります。橿原神宮前駅を出発して間もなく彼岸花の群生に出会ったように、彼岸花に染まった秋の景色が、いたるところで楽しめます。
甘樫丘展望台…標高148mの甘樫丘にある展望台から大和三山や二上山、葛城・金剛山などの山々を一望できます。昭和54年天皇陛下がここを訪れられるのを機会に整備されました。近くにある甘樫坐神社では、古代、煮え立った湯に手を入れて、ケガをすれば罪人とされる“盟神探湯(くがたち)”という恐ろしい裁判が行われていました。
飛鳥寺…蘇我馬子が596年に建てた日本最古の本格的寺院です。創建時の伽藍は、塔の北・西・東側の三方に金堂が建つという、独特の伽藍配置であることが発掘調査で分かっています。現在の安吾院に安置されています飛鳥大仏は、かなり補修されていますが、創建当時のお姿をされています。
稲渕の“明日香彼岸花祭り”…今年のテーマは「日本の童謡」。名物のジャンボ案山子は“西郷隆盛(せごどん)です。案山子ロードの傍らには、地元の人たちが作った可愛い案山子達が私たちに微笑みかけてくれます。赤色の彼岸花だけでなく、白や黄色の彼岸花が美しく咲いています。
高松塚古墳…直径約20m、高さ約5mの美しい姿の円墳です。7世紀末から8世紀前半に造られたものと考えられています。石槨(石室)の壁には、飛鳥時代後半の服装を知るうえで貴重な資料である飛鳥美人像や四神図、星宿図が描かれているのが有名です。

案山子ロードから朝風峠を超えるまで、なだらかですが上りの坂道が続きます。ステッキを使用されている方は、持参された方がよいでしょう。