今回は、紅葉が色づき始める頃、談山神社で行われる“蹴鞠祭り”を見学し、多武峰から明日香路を歩きます。途中、急な下り坂がしばらく続きますので、ステッキを使用されている方は忘れずにお持ちください。
談山神社…桜井駅から路線バスで談山神社に向かいます。談山神社は標高608m付近にあり、春は桜、秋は紅葉に包まれる風光明媚なところです。女人禁制の石碑があり、多武峰も女人禁制だったことをあらためて知らされます。神社の名は、藤原鎌足と中大江皇子(後の天智天皇)が「大化の改新」の相談をした「かたらいの山」から談山神社と名付けられました。そして、春と秋には二人が「蹴鞠」をきっかけに出会ったという故事にちなんで“蹴鞠祭り”が行われます。
蹴鞠の鞠は鹿の皮を縫い合わせて作ったもので、古式ゆかしい装束で「アリ」「ヤ」「オウ」の声を掛けながら、優雅に鞠を蹴ります。
万葉展望台…多武峰中興の祖「相賀上人の墓」を過ぎ、静かな心地よい道を辿ると「万葉展望台」に着きます。正面には金剛・葛城山、二上山、生駒山の山並みが連なり、手前には甘樫丘、大和三山を望む大パノラマが広がります。
山田寺跡…大化改新で活躍した蘇我倉山田石川麻呂が641年に造営を始めた氏寺です。
現在、興福寺にある白鳳時代の仏像を代表する“仏頭”は、もと山田寺講堂の本尊で、興福寺の衆徒により奪われたものです。また、東回廊では倒壊した建物がそのままの形で発掘され、現地説明会には考古学ファンによる長蛇の列ができたとのことです。
安倍文殊院…天橋立切戸の智恩院、山形県亀岡の大聖寺と並んで日本三文殊の一つ。学業成就にご利益があるといわれ、毎年大勢の受験生が合格祈願に訪れます。平安時代、陰陽師として活躍した安倍晴明ともゆかりが深いお寺です。下見の日はコスモス迷路が残っていましたが、しばらくすると来年の干支“亥”のジャンボ干支が約8000株のパンジーで描かれます。境内の展望台はこの花絵を見下ろす絶好のスポットになっています。