12月19日の例会は、生駒山麓にある名刹や神社仏閣を巡ります。その中には特に奈良時代の僧・行基菩薩に関わりのある寺院が多くあり、竹林寺、円福寺、往生院、宝憧寺など訪ねます。コース下見で訪ねた箇所の見所を参考までにお知らせします。
◆往馬大社 (往馬坐伊古麻都比古神社)
古代より火を司る神として信仰され、生駒谷17郷の氏神として鎮座し、神奈備(生駒山)をご神体として祀られた日本有数の古社。神社の境内を覆う鎮守の杜は奈良県の天然記念物に指定されている。10月第2日曜日の例祭(火祭り)が特に有名で、火取行事は室町時代から続くと伝えられ、県の無形民俗文化財に指定されている。
◆竹林寺 (宗派:律宗)
架橋、治水などの社会事業に奔走された僧・行基が壮年期に営んだ小庵(生馬仙房)が後に寺院とされたものと思われる。行基は文殊菩薩の化身と仰がれ、鎌倉時代に舎利瓶が出土し、その後、忍性らの高僧が集い、堂塔が整った。寺名は中国の五台山大聖竹林寺にちなむ。境内に行基の墓や忍性の供養塔(五輪塔)もあります。
◆円福寺 (宗派:真言律宗)
行基によって創建されたとするが詳細は不明。本堂前に並んで「宝篋印塔」2基が建ち、国の重要文化財に指定されている。向かって左(北側)の塔は初重に四仏の種子を刻み、永仁元年(1293年)の銘がある。向かって右(南側)の塔も初重に四仏の像を刻み、北側と同じころの造立と推定される。
◆往生院 (宗派:華厳宗)
行基が奈良の喜光寺で天平21年(749年)に没した時、遺言により火葬し、遺骨の一部を葬ったのが、この地であったと伝えられている。本尊は行基菩薩で本堂の裏には行基の墓塔と伝わる五輪塔が安置されている。本堂北にある宝篋印塔(重文)は、正元元年(1259年)の銘があり、県内最古として知られる。
◆宝憧寺 (宗派:融通念仏宗)
行基によって創建されたとするが詳細は不明。当初は真言宗の寺院であったが、江戸時代後期に融通念仏衆に改宗している。室町時代に建てられた本堂は入母屋造り、本瓦葺きの重厚な建物で重要文化財の指定を受けている。
◆千光寺 (宗派:真言宗醍醐派)
開基は修験道の祖である役行者。この地に千手観音菩薩を安置して修行したのに始まるという。境内は静けさに充ち、行者堂や観音堂が周囲の緑に溶け込んでおり、背後には役行者が修行した行場もある。
◆生駒山口神社
古来より水源(水や滝)の守り神として創祀され、延喜式には「伊古麻山口神社」とあり、大和国には14社の山口神社があり、その内の1つで瀧の宮の別名がある。