今回は北大和五山と呼ばれる聖地の一つで、大和屈指の紅葉の名所として名高く、山全体が色づくさまを「錦の里」と呼び、古人も愛でた「錦の里 正暦寺」を目指して、JR櫟本駅から訪ねて歩きます。尚、下見の時の印象では、紅葉はもう少し先という感じでした。

・JR櫟本駅
跨線橋と駅舎は木造で明治31年開業時のものが今も健在です。プラットホームの下段側面にも当時のレンガ積みの跡が残っています。これと同じ例として明治31年4月に関西鉄道の大仏線(加茂駅から大仏駅)が開通しています。現在の加茂駅には、この当時の鉄道遺構が残っています。レンガで作られたランブ小屋やプラットホームの下段側面に当時のレンガ積みの遺構が確認できます。
・柿本寺(しほんじ) 跡
この地域一帯を治めていた和爾氏から分派した柿本氏の氏寺である柿本寺(しほんじ)がありました。すぐ隣の和爾下神社の神宮寺であったと推測されている。山部赤人と共に歌聖と称えられる柿本人麻呂の遺骨を葬ったとされる「歌塚」が近くに残っています。ここに小石を置くと字が上手に書けるようになるとの言い伝えあり。
・和爾下(わにした)神社
この地域は古い前方後円墳で鬱蒼とした森に囲まれています。この神社は東大寺山古墳群(古墳時代前期)の上に鎮座しており延喜式神名帳に記載される古い神社で、創建時は和爾氏や櫟井臣の祖神とされる方々が祀られていたが、現在は大巳貴命(おおなむらのこと)、素戔嗚尊、稲田姫命を祀る。明治初年に延喜式内の和爾下神社に当たるとの考証から、和爾下神社と定められ、今日に至る。拝殿の奥に本殿があり、桁行三間、梁行二間、切妻造、向背一間、檜皮葺きで桃山時代の様式をそなえ、国の重要文化財に指定されている。
・赤土山古墳
4世紀後半に築造された前方後円墳(墳長:約106.5m) 。後円部の先端に造り出しを築いているのが特徴。墳丘には円筒埴輪列が存在したほか、家形埴輪、短甲形埴輪、盾型埴輪などが出土している。和爾氏の有力者の墓と推定されている。平成22年4月14日から一般公開されている。
・白川ダム
旧白川池をかさ上げした農業用ダム。ヘラブナの釣り場としても人気があります。周辺は公園や遊歩道として整備されています。湖面に新緑が映る時期が一番人気がある。
・正暦寺 山号:菩提山、院号:龍華樹院、宗派:菩提山真言宗(大本山)、本尊:薬師如来
平安時代に大和の東山一帯を釈迦出家後、その成道に至る菩薩修練の物語に由来した聖地に見立てて北大和五山と呼ぶ。大慈仙(薬師寺)、忍辱山(円城寺)、誓多林(万福寺)、鹿野園(梵福寺)、菩提山(正暦寺)で、円城寺と正暦寺以外の寺は廃絶、地名のみ残る。また、室町時代には境内を流れる菩提仙川の清水を用いた酒造りが盛んに行われ、高い酒造技術を持ち、近代醸造法の基礎となった。「菩提泉」という銘柄の清酒を日本で初めて醸造されたという伝承があり、「日本清酒発祥の地」の碑が建っている。